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君の影なんかじゃない

君を探している

君の手

君の指

君に膝の裏

君の唇

君の睫

君の骨が浮き出た肉

君の声

君の仕草

君の匂い

君の口癖

君を構築するせかい

君が構築したせかい

君だけだ

君だけを探している

君の何を探している、て

君なんだ

君だけなんだ

君は僕の全てじゃない

0914

あれから何年経とうが

君がいなくなった時間は

永久のように止まったままだ。

朝、起きて隣に眠る君を探す癖も

昼、君の休み時間に合わせて作る昼食も

夜、紅茶を飲みながらソファにもたれる肩も

なにもかも居場所をなくした。

たまに君の服を着て

鏡を見る。

そして、僕だということを痛感する。

僕は君になれない。

そんな当たり前のことが僕を苦しめる。

今日、起きた素晴らしい出来事も

理不尽で居た堪れない出来事も

なんてことない仕事の愚痴も

僕は君に話していた。

誰よりも君に話していた。

穏やかで しなやかで 温かで

僕を迎え、受け入れてくれた。

僕は君をあいしている。

あいしているんだ。

あい、が崇高なものならば

僕は君をあいし続けるだろう。

死が二人を分かつまで

僕の死で僕のあいが死ぬまで

僕は君に会いたい。

0803

まぁ、僕だって

出来ることなら

もう少しスマートで柔軟な対応で

生活したいんだぜ?

0802

きっと

僕は

君を忘れてしまう

(死人は美化されてしまうんだ!)

きっと

僕たちには

醜い過去があったに違いない

だのに

僕は忘れている

一番怖いのは

この悲しみや苦しみが

消えてしまうこと

僕が君を殺してしまうこと

(どうかどうかどうか)

僕に幸せや穏やかさや温かさを与えないで下さい

死ぬことも出来ない僕に

惨めな生だけを与えて下さい

でなければ

僕と君の意味を見失ってしまうから

君の服を着て

君の好きな曲を聴いて

僕は

僕は

君の事を忘れていく